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アミノ酸分析の歴史は、
誘導体化-液体クロマトグラフィーの歴史といえる。

1948年、ニューヨークのロックフェラー大学医学研究所のS.MooreとW.H.Stein両博士によってニンヒドリン比色法による液体クロマトグラフィーアミノ酸検出方法が報告され、124種のアミノ酸とリボヌクレアーゼの構造が解析された。この研究により、W.H.SteinとS.Mooreは1972年にノーベル化学賞を受賞した。
 アミノ酸の分析定量法は、このニンヒドリン反応とイオン交換クロマトグラフィーの原理を応用したやや古典的な方法のほか、最近では蛍光ラベル法と高速液体クロマトグラフィー法の組合せにより、ピコモル(10-12mol)オーダーの微量分析が可能になり、アミノ酸代謝異常症等の臨床診断に広く利用されるようになってきている。また、近年は、液体クロマトグラフィーと質量分析法を組み合わせ高感度で定性と定量分析を行っている例も多い。
 このようにアミノ酸分析は歴史が古く、今更アミノ酸分析を目的とした研究会の発足は不要との意見もあるが、さまざまな天然アミノ酸や合成アミノ酸の存在やペプチド医薬や抗体医薬等のアミノ酸関連のものが多く、さらなる研究が望まれている。そこで、本研究会では、従来のアミノ酸に加えて、動植物由来の天然アミノ酸や各種の合成アミノ酸およびぺプチド類等も含めて広く分析対象とし、アミノ酸分析研究を発展させることを目的とします。

 本研究会はこの趣旨にご賛同頂ける各分野の研究者の方々に、相互連携の機会や討論の場を提供し、アミノ酸に関わる先端的学術研究を推進することを目的とします。既存の学問領域や産業領域、企業・大学・公的組織の枠にとらわれることなく、アミノ酸分析とその機能に関する多様な学術研究に深い関心をお持ちの方々に積極的に参加されることを期待しております。
平成23年8月
発起人一同